未知の世界4
退院の日、幸治の迎えで、かなは病院を後にした。
「幸治さん、ごめんなさい。」
運転する幸治の隣で、かなが謝った。
「何が?」
「まだアメリカでの仕事が残っていたのに。」
そういうと、幸治は車を止めて、かなに向き合った。
「気にするな。もうあとは引き継ぎくらいしかなかったんだ。
それに、早くかなに会いたかったからな。」
そういうと幸治はかなの頭を片手で引き寄せ、キスをした。
「んっ!」
一度離れたが、再び幸治はかなの唇に力強くキスをした。
「はぁっ。
ずっと我慢してたんだからな。
アメリカでは忙しくて、こんな時間なかったし。
親父たちに認めてもらえたんだから、これからは覚悟しとけよ。」
そういうと再び車を走らせた。
幸治さん、突然キスするなんて。
やっと治った心臓。私、またおかしくなっちゃうよ。
それに覚悟しとけ、なんて。
顔が耳まで真っ赤になってる気がする。
チラッと幸治さんを見ると、
あ、幸治さんも真っ赤!
幸治さんでも照れることって、あるんだ。
なんだかほんわかした気分だった。