未知の世界4
目を覚ますと、ベッドに横になっていた。
あれ?なんだかいつもと違う部屋。
あれ?
まだ傷口が完全になおっていない胸をかばいながら起き上がる。
どこだ、ここ。
ベッドはキングサイズなのかな?
ふかふかのマット。これって、トゥルースリパー?
また眠くなりそう。
部屋にはベッド以外に素敵な鏡台もある。
その他は家具のない部屋。
あれ、これって、お客さん用に使ってた部屋?
なんて考えていると、部屋の扉が開いた。
「かな?
起きたか。」
幸治さんが入ってきた。
「ここって、今まで使ってなかった部屋?」
「あぁ、俺達の寝室。」
へ?
「いい加減一緒に寝てもいいだろ?
それぞれの部屋は勉強や仕事の時や、どっちかが風邪引いた時には使えるから、そのままだ。
まぁ、俺が風邪引いた時だけな。」
「え?私が引いたときは?」
「そんなときこそ一緒に寝ないでどうするんだ?」
あ、そうか。私の場合は、そうか。
「っえ!?
今日もここで寝るんですか?」
「嫌か?」
「い、いや・・・・・・。そんなことは。」
私の心臓、やっぱりもちそうにない。
すると、幸治さんが私の額にキスをした。
それから私をベッドに押し倒した。
といっても、背中を支えながら。
幸治さんは私に覆いかぶさって、今度は唇に。
「んっ。」
声が出ちゃう。
すると幸治さんは私から離れるように起き上がった。
「ヤバいヤバい。
これからのこと考えたら、気持ちがつい・・・・・・。
それに、かなの声聞いたら、俺、自分を止められないかと思った。
まだここが治ってないのにな。
当分先だな・・・・・・。」
そういって私の心臓を指差した。
トクン
幸治さんに胸を見つめられて、胸の鼓動が大きな音を立てた。
今日の夜はまだ何も起きないと思うと、ホッとした。
いつか幸治さんとつながるその日を考えるだけで、緊張する。
幸治さんを見ると、顔が真っ赤。
あれ、また照れてる。
今まで相当我慢してたのかな。
こんな素敵な寝室まで用意してくれて。
私は嬉しかった。幸治さんが、私を想ってしてくれたことが。
そして今まで、口に出して言うことはあまりなかったけど、私を好きでいてくれたこと。
チュ
と幸治さんの頬にキスをする。
「顔が赤いよ。」
私がそう耳元で言うと、幸治さんはさらに真っ赤になった。
「ば、馬鹿!」
照れてる。
「今からしたっていいんだぞ。
そのかわり、傷口がパッカリ開くぞ!」
ヒャッ!
と思い、胸に慌てて手を当てた。
「はは。冗談だ。
好きな人の体を傷付ける奴がいるか?
治ったら容赦しないけどな。」
その言葉に今度は私の顔が真っ赤になった。
それから私たちはリビングへ向かった。
既に夜になっていて、幸治さんが出前を取ってくれていた。