未知の世界4
「うわぁ!」
テーブルについて出前のおひつの蓋を開けると、それは鰻重だった。
私が初めてこの家に来て食べた、生まれて初めて食べた出前!
あれから私がご飯を作っていたので、一度も食べたことがなかった。
「喜んでもらえてよかった。」
「幸治さん!ありがとう!」
私は満面の笑みで答えた。
アメリカから帰国して、翌日には入院して、心膜炎だけど難しい手術になるって言われた時、私にこんな生活がもう一度やってくるとは思ってもなかった。
今この生活があるのも、幸治さんのおかげ。
これからも幸治さんには感謝して、自分なりの恩返しをしていかなくちゃ。