未知の世界4

検査は喘息の検査も。






そして今、ぐったりしてベッドで寝ている。






お昼ご飯は疲れていたおかげで、少し食べれた。







ガラッ






「かなちゃん、今大丈夫かな?」






そう言いながら入ってきたのは、進藤先生と担当の看護師さんと、そして








幸治さん。






なんで幸治さん?






もしかして、相当結果が悪かった・・・・・・?






そう思うと、幸治さんの姿をとらえた目から、涙が溢れ出た。












「かなちゃん、大丈夫?まだ何も言ってないけど。」






進藤先生から優しく声をかけられる。






嗚咽ばかりが出て、言葉が出ない。






幸治さんが隣にきて、体を起こしてくれる。






『かな、ゆっくり深呼吸して。』







幸治さんの言うとおり、ゆっくり深呼吸。






「よし、じゃあ今日の検査結果を話すね。」





     



進藤先生の口から淡々と出てくる言葉を、他人事のように聞いていた。






どうしても自分のことと受け入れられず、詳しく聞けない。






分かったことは、これからも心臓に気をつけて制限された食事で生活して、発作が起きないようにしないといけないってこと。





あの時ほどではないけど、いろいろ気をつけなきゃならない。






大学に行くことも可能だけど、卒業して仕事が始まったら、特に気をつけていかないといけない。






よっぽどひどくなれば、手術となるけど、そこまでするほどではない。





言われた言葉を頭で繰り返す。






すると、そっと背中がなでられた。






『俺がいるから、不安になるな。』






どこか悲しげの幸治さんの顔。






私にはわかるよ。






結構ひどいんでしょ?






そのあと、私一人を残して、皆出て行った。






放心状態のまま、ベッドに横になることもしばらくできなかった。
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