未知の世界4
いつになったらこの熱くて怠い体は治るのだろうか・・・・・・。
そんなことを考えながら、一人残された部屋で眠りについた。
どのくらい経ったのか、パッと目が覚めた。
ガラッ
入って来たのは、幸治さん!?
ではなく、進藤先生。
「あ、すごいがっかりした顔。」
『い、いや・・・・・・そんなこと。』
小さな声だけど、今朝より出せる。
「いいよ。じっとしててね。
ごめんね、幸治くん、君のところに来たがってたけど、緊急オペが入っちゃって。」
え?
「君の知ってる子。」
『あの女子高生、です・・・・・・か?』
「そうだよ。ICUにいたんだけどね。
心臓がもたなくて。
でも大丈夫!そこまで難しい手術ではないから。」
そうだったんだ。
あの子はどんな気持ちでICUにいたんだろう。
「だから心配しないでっ!!!かなちゃんは人のことになると、本当自分のことのように考え込んじゃうんだからっ。
きっと明日になれば幸治くんにも会えると思うし。
ところで、今日の検査結果聞いて、どうだった?」
『・・・・・・うぅん。
またどうしてこうなっちゃったんだろっていろいろ考えました。
慣れたっていうと良くないですけど、喘息のある生活にようやく慣れてきたのに。
これからは心臓のことも考えないといけないのは辛いです。
喘息もひどければ命取りですけど、心臓は一度の発作が命取りです・・・・・・。
大学を卒業して病院で働くことが、私に可能なのか・・・・・・。
結婚もして家事もしなくちゃいけないのに。
そもそも、私卒業できるのかな・・・・・・。』
話しはじめたら止まらない。
こんなに自分の気持ちが口から出てくるなんて。
「そっか。いろいろ考えていたんだね。
大学は大丈夫。かなちゃんなら、必ず卒業できるから。
でも、大学在学中には、夜更かしや体に悪いことは避けてね。
働くようになれば、どうしても避けられないこともあるから。」
『やっぱり・・・・・・。いろいろと大変そうですね。』
「まぁ、心臓だからね。
だけど、治らない病気ではないんだ。
それにね、病院で働くって大変だけど、かなちゃんにはいいことなんだよ。」
え?
「だってさ、何かあればそこが病院であれば、誰かそばにいるし、そばにいる人は看護師か医者でしょ?
とてもいい環境での職場なんだよ。
ただ問題は、体に負担の多い仕事っていうこと。」
そうだよね・・・・・・。
「かなちゃんが、それでも医者になりたいなら、僕たちは全力で応援するからね!」
そういい、進藤先生は私の頭を撫でて、部屋を後にした。