未知の世界4
朝になると、昨日の体の怠さがだいぶ軽くなってきた。
熱も引いたみたい・・・・・・。
回診から1時間も前に起きれた。
今まで当たり前だったけど、それがとても幸なことのように感じた。
普通の体、ではないけど、少なくとも良くなってる。
そんなことを考えていると、扉が開いた。
「おはよう」
あ、幸治さん。
『おはよう、、、ございます。』
「昨日は悪かったな。」
『いえ、あの、女子高生の手術ですよね?
どうでしたか・・・・・・?』
「もう大丈夫だよ。
完治ではないけどな。
ひとまず良さそうだ。」
良かったぁ~。
「って、かなは人の心配より、自分をまず考えろよなぁ。」
『アハハ、、、
なんだかいろいろ考えてましたけど、昨日、進藤先生に話したら、だいぶ楽になりました。』
「そうみたいだな。良かったよ。
本当なら、俺が聞いてやるべきことなんだけど。」
『これから、不安になったら幸治さんに話します。』
「うん。大学も卒業しなくちゃな。」
『早く退院したいなぁ。
生活面では大変そうだけど・・・・・・。』
「まぁな。俺ができることはするからな。
無理するな。いざとなれば、アメリカからお袋も呼べるからな。」
そうか、お母さんがいたんだ。
『もしムリそうなら、お願いします。』
「うん。かなからそういってもらえると嬉しいな。
周りを頼れよ。」
『はいっ!』
「昨日に比べて顔色も良くなったな。
喘息が落ち着いて、熱もなければ、退院みたいだから、今はゆっくり休めよ。」
そういって、幸治さんは立ち上がりながら、私の唇にキスをした。
「あ、また熱が上がっちゃうな。」
と冗談を真顔でいう姿を見て、笑ってしまった。
笑えるくらいなら大丈夫だって言いながら、幸治はんは部屋を後にした。
私はつくづく自分が幸せ者だと感じた。