未知の世界4

ホント、長い一日だったぁ!







お風呂上がりにリビングのソファで足を伸ばして座っていると、






「はい、かな。」





と言われ幸治さんに渡されたのは、体温計。





「え?」





「え?じゃないだろ?





今日一日、微熱があったのか緊張からか、いつもより顔が赤かったぞ。」






へ?






そんなことないと思うけど・・・・・・。






キャッ!






手に体温計を持ったままでいると、いきなり幸治さんにパジャマのボタンを外された。





「あ、あのっ。あ、あのっ!!!





自分でっ、、、」





「いいだろ?夫婦になったんだし。」






澄ました顔でテキパキと右脇に体温計をはさんでくる幸治さん。





「はい、じっとして。」





そういわれ、目の前にいる幸治さんがあまりにも近すぎて、目をつむって俯いた。





「そんな力を入れないで」  





そういわれ、顔を上げられたと思うと、





チュッ






キスをされた。





びっくりして思わず左手で幸治さんを押そうと思ったら、しっかり手を掴まれた。




右手は体温計で離せない。










んっ!? 





幸治さんに長くて濃いキスをされた。






ピピピッ!





体温計の音で幸治さんは私から離れると、何事もなかったかのように体温計を素早く手にした。





「あ・・・・・・。」





その声で、どうだったのか聞かなくても分かる。





「もう寝ます・・・・・・」





ふらつきながらソファから立ち上がる。





幸治さんの視線を感じていたけど、






「おやすみなさい」





と言うので精一杯だった。






こんな後にも先にもないほど幸せな一日の幕が降りようとしているのに、最後の最後でいつもの熱。





自分にガッカリした。





ふわっ






トボトボ歩いていると、体が宙に浮いた。





「わ、わ、わっ!!!」





「明後日までに下がればいいんだから。





落ち込むな。」





そういわれ、幸治さんに抱えられていることに気付いた。





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