未知の世界4

リビングを開けると、ソファに座ってテレビを見ている幸治さん。






その姿を見られるだけで平穏な日々が訪れていることを感じられ、嬉しくなる。






「お、出たか?」






そういいながらソファを開けて、ソファの前のテーブルに置かれた救急バックを開ける幸治さん。






「はいっ、ソファに仰向けになって。」







急にキリッとした顔になる幸治さん。






穏やかな空気を一気に掻き消し、医者になる。







医者の顔もカッコイイけど、あまり得意ではない。








怖いなぁ。医者の顔の幸治さん。






「痛みはある?」






「はい、起き上がるときや寝るときは痛いです。」







そう答えながらソファに仰向けになると、幸治さんは私のキャミソールを首まで上げる。






 

うわ、私、胸が丸だし・・・・・・。







病院で進藤先生に診てもらってたときは、前開きのパジャマだったから、キャミソールだとこうなるなんて思ってもなかった・・・・・・。





目のやり場に困る・・・・・・。







「ん?どうした?痛い?」







幸治さんは気付かないみたい。







「いえ、何でもないです。」







「よし、終わり。






でもそのまま。」






え?そのまま?







「聴診させて。」







と言いながら、聴診器を胸に当てる幸治さん。






静かな時間が流れる。










「はい、終わり。心音も肺もいいね。






熱もなさそうだな。」





「ありがとうございました。」






と言って起き上がろうとすると、幸治さんが私の背中に手を当てて起き上がらせてくれる。







「早く治らないかな。」






と言いながら、幸治さんが私の首筋にキスをする。






「あんっ」





傷を診てもらってる時からの妙な緊張感がやっと溶けて、開放されていた時だった。





不意にしかも、首筋にキスされて、変な声が出ちゃった。








その声が幸治さんを刺激した。






一旦下げられたキャミソールが少し浮き上がると、暖かい温もりの幸治さんの手が、胸を包み込んだ。






へ?もしかして、幸治さん・・・・・・。






首筋から胸に優しく幸治さんの唇が触れる。  




    


「ぁあーーー!!!  


   
  


もうっ!    






また失いかけた・・・・・・。」







そういうと幸治さんは、キャミソールを優しく下げた。



 
 

「さっきも傷診てる時に、我慢すんのに必死だったのに。」







え?幸治さんもドキドキしてたの?







「意外・・・・・・。」






聞こえないと思って言ったのに。






「俺だって医者の前に男だ!かなの前ではな・・・・・・。」






幸治さん、また真っ赤。






「さあ、寝るか。」 







そういってリビングから二人出た。





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