隣の犯罪者?!

02

皇夜、忘れちゃったの?
事故だって言ってたのに
「待って」
「如月を連れていけ」
「牧さんその子は関係ないっすよ俺とは」
打ちのめされた気がした
私はとりあえずベンチに座る
牧さんがコーヒーを差し出してくれた
「如月皇夜のなにを知ってる?」
「なにも知らないです」
「知らなくてあんなに親しく喋れるのか?
まあいい三年前のレイプ事件の主犯も如月だ
あいつは腐った奴なんだよ
あんな奴が生きていても意味がないんだ」
「そんなことないです」
私が話し終えると牧さんの部下が慌てた様子で走ってきた
「牧さん」
「ん?」
「如月が」
私も牧さんの後に続いて走った
やっぱり気になる
二階の個室のドアを開ける牧さん
皇夜は壊れたように笑っていた
「牧···俺はやってねぇんだよ残念だったな」
「如月」
牧さんの振り上げた拳が当たる寸前、私は皇夜のそばに駆け寄った
「おまえ」
「牧さんあの時間をください」
私は手錠をはずしてもらった皇夜の手をひいて外に出た
「なんだよ」
手首をさすりながら皇夜が言う
「私、知らない間に傷つけてた」
皇夜は壁に手をつくと唇を重ねてきた
私は皇夜の舌を噛み切ろうとするが皇夜が奥深くまでキスしてくる
「別におまえのせいじゃないだろ」
息を吸うために離した唇
私は背伸びをして皇夜の首に手をまわした
「なんだよ」
皇夜は怒りながらもキスをしてくれた
皇夜の舌にある銀のピアス
きっと普通の人ならこんなキスしないんだろうな
「如月、証拠不十分だ帰っていいぞ
俺は認めないが上の指示だ」
私は皇夜と顔を見合わせて歩きだそうとしたが1つ気がかりなことがあって牧さんに確認した
「三年前の事件?」
「はい、なんでもいいんです資料があれば」
「少し待っていてくれ」
私は牧さんから資料のコピーをもらった
とはいっても新聞の切り抜きだったが
外に出ると初夏の生ぬるい風が頬にあたる
皇夜、先に帰っちゃった?
「松風」
それは会社の先輩だった
「どうしてここがわかったんですか?」
「定食屋のおばちゃん」
「勝手に抜け出してごめんなさい」
「どうした?ちょっと時間あるか?」
「はい」
私は先輩と近くのファミレスに入った
もう冷房が効いていて涼しい
窓際の席につくと先輩がコーヒーを奢ってくれた
私は新聞記事を取り出した
「なにそれ」
「三年前のレイプ事件」
「ニュースにもなったよねそれ
確か主犯は如月皇夜だったかな
あれ?違った?」
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