溺れる恋は藁をも掴む
 「仕事柄な、いろんな機会に、チラッと話すのはクセになっちゃったの!

 たまたまさ、『あら、そうなの?』
『なら、どんなのあるか教えてよ』って、言われるチャンスが稀にあるんだよね…

 そういうチャンスは、営業マンなら逃したくないでしょ?

 俺はプライド持って仕事してっから、無理強いなんて絶対にしないよ」

 「どうして、アキはその仕事選んだの?」

 「たまたまだよ……
 仕事選んでられる身分じゃないし、営業は自分の腕次第で、出世出来る仕事だから、やり甲斐あるって思わなきゃ、やってらんないからさ……」

 少しムキになっても、相変わらず、カワイイ笑顔になるアキ。



 「三浦はなにやってんの?」

 「建設会社の事務だよ」

 「三浦は字綺麗だし、ちゃんとしてっから、
事務職もテキパキこなしてんだろうね!」

 いやいや毎日ミスして、自分の馬鹿さ加減に呆れてますよ‥‥


 「普通だよ。
字の上手い下手関係ないよ。
今はさ、パソコンで殆ど処理するじゃん」

 「あっ、そっか!
まぁ、そうだよね。
取り敢えず、仕事の話はそこまでにして、飲もう!」

 適度に褒めて、会話の切り替えも早いのは、
アキが優秀な営業マンだからか……?
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