溺れる恋は藁をも掴む
 運ばれてきた料理も味わう。

 どれもこれも美味しいのだが、アキお勧めの、生ハムとアボカドのパスタは絶品!!と言っても過言でないほど美味しかった。

 ワインも飲んでホロ酔い。
 酔うとリラックスもしてきて、つい本音トークを語るようになる。

 「三浦、本当に綺麗になったな…」

 「褒めても保険は入らないよ!」

 「入らなくていいって、言ってんだろーよ!
 全く……素直じゃないな!」

 「長い間、綺麗なんて言葉に無縁だったからよ!」

 「三浦次第で、これからは言われる様になるさ!」

 「痩せてから、世界が変わったわ……

 ずっと着てみたかった服が、着れるようになったり、ナンパもされるようになった。

 やっぱりさ……女は外見なんだな‥って、しみじみ思うよ」

 「俺はポッチャリした子も好きだよ!
 高校の時の三浦は、何だか居るだけでホッとするような癒やしがあったよ」


 癒し系のデブってことか?


 それでも‥‥
アキを癒していたなら、嬉しいと思った。

 「本当なら、その時に言って欲しかったな。
そしたら、自分に少しは自信持てたかも?」

 「言えないさ……
あの頃はガキだもん!
 気の効いた事、言えるわけないさ…」

 「そっか……
でも、アキとこうして食事してるのって不思議な感じ」

 「そうか?
三浦に彼氏が居たら、遠慮したけど、そうじゃないなら誘うさ」

 「アキは彼女居ないの?」

 「居ないな……
振られたみたい」

 あら、それってどういう意味!?
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