溺れる恋は藁をも掴む
 バスルームを先に出て、バスタオルで身体を拭き、バスローブを纏う。


 ベッドへと歩き出す。

 全て青で統一されたダブルベッドを目の前で、後ろからアキが抱きしめる。

 下ろした髪をかきあげられ、首筋に唇を這わす。

 ビリビリと電気が走ったような衝動が、身体中を駆け巡った。

 バスローブを脱がされ、裸になる。

 唇が背中に移動して、上から下へと辿った。


 金縛りにあった様に、身体が固まり、されるがままとなった。

 声を我慢して、小刻みに震えた。





 エッチかな………
緊張しながらも、この先を期待しちゃう……
もっと、もっとと身体が要求し始めた。



 気持ちいい‥‥
アキとセックスしたい‥‥


 もっと‥‥
して‥‥


 言えない本音を隠して、身を委ねる。

 アキの腕に力が入り、私を振り向かせて唇を奪った。


 慣れてるね……アキは………キスが上手だもん………

 でもね、そんなアキとキスしてる私……

 『これ、現実だよね?』何度も確認しちゃう程、夢見心地なんだよ。


 二人の唇が離れた時………

 アキは私と青の世界へダイブした。


 裸のまま重なり合い、深い深い海の底の神秘の扉を目指して、青の世界へと沈むーー








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