溺れる恋は藁をも掴む
 三浦華とまさかね‥‥
あんな事しちゃうなんてね……

 今思い出しても、恥ずかしくなる。
『俺が証明してやろうか』なんて咄嗟に口にした事。

 酔ったせいにするのは卑怯だよな。

 やましさの欠片も、あの時までなかったんだけどな……


 あいつとなら、そういう事抜きで、飯が食えればいいと思ったんだ。


 裕也の結婚披露パーティーで、三浦華を見た時……

 『おぉ!!マジか?三浦!?』って思ったのは事実。

 あの癒やし系おデブちゃんが、細っそりとした大人の女性になって現れたのだから…


 良くやったな!!
残念な部分なんてないじゃん!!
お前、すげぇー頑張ったんだな!!

 お前をそこまでかりたてたもんって、何だ?

 やっぱ年頃になって、恋なんかして、女子力なんてもん磨いたのか?って思うくらい、あいつは変わった。

 元から愛嬌のあるぽっちゃりした顔は、ほっそりとした綺麗な卵形の輪郭になり、余り、はっきりとしてなかった目鼻のパーツが、今はくっきりとしてる。

 アーモンドの形の瞳が魅力的に見えた。

 それに化粧も覚えたみたいで、本当に変わった。


 長い髪をアップにして、薄いピンクのドレス。
履き慣れてなさそうな高いヒールを履いて、やっとお洒落に目覚めましたよ的な、可愛らしい女になっていた。

 思わず声を掛けた。
きっかけを探した。


 懐かしい姿じゃない、三浦華に興味を抱いた。
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