溺れる恋は藁をも掴む
 ーー歩き出すーー
噴水公園に向かって……

 この時の私を漫画で例えるなら、辺り一面に私を囲んでお花が咲いていて、キラキラと星が輝いたような瞳になり、『ヤッター』と叫びたいのを抑え、嬉しさで冷静にはなれず、無我夢中で噴水公園を目指し、猪突猛進している、健気な痛い子だったはず……


 早く着いて、メイクを直さなきゃ!!と現実的にもなった。


 30分でアキに会える!
今夜会える喜びをうまく隠せない。


 私は不器用な女だ。
セックスをしてアキを近くに感じた。
でも、それは違う、勘違いしちゃいけない。

 アキに溺れたら‥‥‥
苦しくなるのは分かっているのに、好きな気持ちが湧き出てしまう。


 それでも、アキが好き!


 この気持ちが表に出たら、きっと、アキは私から離れてしまう‥‥

 最高の理解者のラインを越えちゃうもんね。


 アキは私に恋愛感情はない。
私の他にもアキには最高の理解者は居るはず……

 都合がいい女とか遊びの女とか、自分を卑下する言葉を頭から追い出す。


 アキを好きならそれでいい!!
アキに溺れないように、私は最高の理解者になるんだから……



 片思いでもいいんだ。


 心でオナニーしても、身体はアキに満たされるのだから……
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