溺れる恋は藁をも掴む
 『これが本当の恋人だったらね‥‥‥』
なんて、更に願ったら欲張りだよね。

 だって、アキと私は最高の理解者になったんだもんね…




 支度をして帰る前に、昨日買ったハンドタオルをアキにプレゼントした。


 「えっ!! そんな、わりぃーよ!!
昨日、飯までご馳走になって、その上プレゼントまでさ……」

 私からのサプライズだよ。
アキの喜ぶ顔が見たいんだ。


 「開けてびっくりだよ!
そんなに大したもんじゃないから。
 ほんの気持ちばかりのプレゼント。
でも、アキに何かプレゼントしたくなったの。
お礼だよん!」

 戯けてそう言ってみた。

 「サンキューな!!
華」

 アキは嬉しそうに笑った。

 「どういたしまして!」

 私はあなたのハンドタオルでいいよ。

 傍に居て特別じゃなくても、必要として貰えるのなら。

 青は私の好きなカラーなの。
あなたの傍に大好きな青を添えておくよ。



 駅までアキに送って貰い、コーヒーを一杯だけ飲んで別れた。


 アキの家にお泊りしちゃった朝。

 今日の一日の始まりを特別に感じたんだ。


 幸せを噛み締めて……
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