溺れる恋は藁をも掴む
 「晶君……
 私も高卒認定試験に挑戦するよ!

 君に偉そうな事ばかり言ってさ、お前何様だよ状態だよね。

 晶君見ていたらさ、私も輝きたくなった」

 百合は通信講座で勉強をするようになった。

 「現役高校生だから、分からないとこ教えてあげようか?」

 偉そうに俺が言っても、百合は笑うんだ。

 「よろしくお願いします!」ってさ……




 受験勉強が捗ったのは、傍らに百合が居たから。

 百合は頭がいい女だった。
教える事がないほど、テキストを見ながら真剣に勉強していた。

 疲れて一休みしたくなると、コーヒーを淹れてくれたんだ。


 俺……
気づいたんだ。

 ーー百合を好きだってことにーー

 会いたくなって、会いに行ったり、一緒に勉強していると、百合に触れたくなったり……

 百合の仕事に嫉妬してみたりさ。

 百合を独り占めしたくなるほど、いつの間にか、百合を好きになっていた。
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