溺れる恋は藁をも掴む
 週末にお洒落なBARで5対5の同人数で、
合コンは行われた。

 スーツ姿の将来有望なSE達のお目当ては、
やはり我が社の華である優奈のようだ。

 ーー男女が向き合うように席に着く。

 優奈に声を掛けた沢口は、優先的に優奈の席の前に座った。

 他の四人の男は、沢口にその権利があるんだから仕方ないというような様子で、空いている席に座る。

 好きなドリンクをそれぞれ頼み、適当な料理を頼んで乾杯し、自己紹介などをしながら合コンが始まった。

 「三浦華です」名前を名乗っても、盛り上がるはずもなく………

 男達の視線を見れば、注がれる先は優奈と私以外の女子。

 ーーこんな時の男の視線は正直だなと思う。
まぁ、そういう視線には慣れっこだった。

 運ばれてきた料理も美味しそうだし、
ここは飲み食いで損をしない側に回ろうと思った。


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