溺れる恋は藁をも掴む
「有り難う。
俺、腹空いてたんだ」
そう返してくれたのが誠治さん。
「お代わりして下さいね。
私がよそりますから」
「その時はお願いね。
華さん。
あ、いや、華ちゃんって呼んでいいかな?
その方が堅苦しくないし……」
「えっ!あっ、はい」
名前を言われてびっくりした。
誰も聞いてないだろうと思っていた自己紹介。
名前まで覚えてくれるなんて……
ーー感動!ーー
いい気分。
「おい!沢口、ベラベラ喋ってないで、華ちゃんがみんなに取り皿に取ってくれたんだから、ちゃんとお礼言おうな?」
「あっ!わりぃわりぃ。
華ちゃん有り難うね。
いやーぁ、綺麗な前島建設さんの女性が、目の前に5人も居たら、舞い上がりますよー」
などと社交辞令込みの言い訳をしながら、
沢口も照れ隠しで笑って、お礼を言ってきた。
「ダメだな。
こういう気遣いをされたらさ、すぐ気づけよ!
ちゃんとお礼も言うのも礼儀だろ…」
誠治さんは沢口をからかうように、笑いながら、場を崩さないように言ってくれたんだ。
それから、口々にみんなにお礼を言われた。
これって、私には別に特別な事ではなく、いつもの事だし、こんな風に言って貰えた事も、初めてだった。
その時かな?
引き立て役でもいいから、この席に居て良かったと思えたのは……
それと…
そんな誠治さんにドキッとしたんだ。
俺、腹空いてたんだ」
そう返してくれたのが誠治さん。
「お代わりして下さいね。
私がよそりますから」
「その時はお願いね。
華さん。
あ、いや、華ちゃんって呼んでいいかな?
その方が堅苦しくないし……」
「えっ!あっ、はい」
名前を言われてびっくりした。
誰も聞いてないだろうと思っていた自己紹介。
名前まで覚えてくれるなんて……
ーー感動!ーー
いい気分。
「おい!沢口、ベラベラ喋ってないで、華ちゃんがみんなに取り皿に取ってくれたんだから、ちゃんとお礼言おうな?」
「あっ!わりぃわりぃ。
華ちゃん有り難うね。
いやーぁ、綺麗な前島建設さんの女性が、目の前に5人も居たら、舞い上がりますよー」
などと社交辞令込みの言い訳をしながら、
沢口も照れ隠しで笑って、お礼を言ってきた。
「ダメだな。
こういう気遣いをされたらさ、すぐ気づけよ!
ちゃんとお礼も言うのも礼儀だろ…」
誠治さんは沢口をからかうように、笑いながら、場を崩さないように言ってくれたんだ。
それから、口々にみんなにお礼を言われた。
これって、私には別に特別な事ではなく、いつもの事だし、こんな風に言って貰えた事も、初めてだった。
その時かな?
引き立て役でもいいから、この席に居て良かったと思えたのは……
それと…
そんな誠治さんにドキッとしたんだ。