溺れる恋は藁をも掴む
 約束の時間より少し前に、誠治さんも到着した。

 「おはよう、華ちゃん。
待った?」

 初めて会った時の誠治さんは、会社帰りのスーツ姿。

 今日の誠治さんは、白いシャツの上に青と白のストライプのシャツに羽織り、青いジーンズにスニーカー。

 爽やかな感じの眼鏡が似合うお兄さんって感じで、ドキッとした。

 「いえ、私もさっき来たとこです」

 「じゃあ悪いけど、付き合ってくれるかな?」

 「はい」


 私達は歩き出す。

 最初は東京駅にある、キャラクターストリート。

 その中に妹さんのお目当てがある。

 キャラクターストリートは、大人でも楽しめる場所かもしれない。

 お目当てのキャラクターがあれば勿論だけど、お目当がなくても、懐かしいアニメやテレビ局などのキャラクターのお店が入っていた。

 「あっ!あそこみたいですよ」

 「そうだね」

 私に似ていると言われるクマの看板を見つけた。

 「人が沢山居るんだね…」

 「人気ありますね」

 「可愛いからね」

 誠治さんの可愛いは、キャラクターのクマなのに、なぜか自分が言われているような、勘違いをしたくなった。
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