溺れる恋は藁をも掴む
 目の前の香澄は、私とは全く逆のタイプ。

 「私ね、よく後ろ姿美人って言われるの!」

 そう言って、あっけらかんとしている。


 私から見たらさっぱりとした女性。  

 髪はショートヘア。
顔はどちらかと言うと、平安時代だったら美人のタイプ。

 もっと具体的に言えば、おかめ納豆のパッケージに描かれている女性が現代にやって来たようなイメージ。


 笑うとなくなる垂れ目の下膨れ。

 後ろ姿美人と言われるのは、確かに分かる!

 グラマラスな身体つきをしている。

 出ているところは、ボォーンと出て、キュッと引き締まったウエストに形のいいヒップ。

 本当に同性の私から見ても、羨ましいスタイル。



 それに気さくな性格の持ち主。

 とにかく前向き。

 いつも彼女に会うと、そのプラスのエネルギーに癒される。

 IT関連の会社で派遣社員として働いている。



 そんな彼女だからこそ、誠治さんの事をありのままに話せたんだ……


 ーーなのに!!ーー




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