Soldier President
辺りは日が落ち、暗闇に包まれ始めていた。

その暗闇に乗じ、バニングはプリピャチ市の深部へと侵入していく。

…原発にイグラを撃ち込むにしても、原発は強靱な石棺に守られている。

外部から撃ち込んだ所で、大したダメージは与えられないだろう。

既に原発としての機能を失い、機械的に暴走させる事が不可能な今、原発を破壊するには、原発内部に入っていって、直接イグラを撃ち込むしかない。

無論、自殺行為だ。

如何にテロリストといえど、そこまでするのかどうか甚だ疑問ではあったが、そうなる前に阻止しなければならない。

でなければ、バニング自身も放射能を顧みずに原子炉内部に入り、イグラの射手を止めるしかない。

その場合、バニングの死亡は確定だが。

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