Soldier President
ニコライは自分からは仕掛けない。

「どうした、今更手を汚すのが怖くなったか?自国の兵士には散々敵を殺させといて、自分は綺麗綺麗なままでいたい卑怯者か?」

舌を出し、ロスタムは嘲笑する。

「所詮大統領なんざそういうもんさ!口だけの臆病者しかいない!」

言った途端に。

「!!!!」

ニコライのナイフを持っていない手での掌打が、ロスタムの鼻面を捉えた!

その衝撃で、僅かに舌を噛んでしまうロスタム。

「私が手を汚さないのは、怖いからじゃない。親日家ならではの言い方をするならば、私は『担がれる為の神輿』だからだ。神輿が汚れてしまっては、誰も担いではくれない」

「ミ…ミコシ?何だそりゃあ」

「知りはしまい。自国の神ばかりに固執し、世界に目を向けようとしないお前達イスラム系テロリストは」

ニコライは再び両手をユラユラと動かす。

「だが、今の私は汚れる事を恐れない。神輿である事を辞めたからな」

< 133 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop