Soldier President
「だから何だ」

ニコライは言い放つ。

「テロリストの顔色を窺い、刺激しないように発言する事が、一国の大統領のする事か。暴力に屈し、ビクビク怯えながら陰に隠れている事が、大統領のやり方か」

ベルトに下げていたナイフを抜き。

「私は」

ダンッッッッ!

足元のコンクリートを貫通するほどに、強く突き立てる。

「家族を奪い、武力で国家や国民を脅かすテロリストどもは、殺害をも厭わない。テロリストどもから守る為なら、喜んで手を汚そう」

「…やれやれ、過激な大統領様だ」

溜息をつくヒュー。

「復讐は復讐を呼ぶわよ。月並みだけどね」

ハルの言葉にも。

「ならば連鎖を断ち切るさ。私がテロリストどもを根絶してな」

ニコライは一歩も退かない。

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