Soldier President
「正規軍ではないようだな」

外から声が聞こえる。

「ニコライ・ウラジーミル・ウラジーミロヴィチを救出に来た部隊か?手柄でも立ててロシア政府からタンマリ金でもせしめようって魂胆だろうが、身の程を知らなかったようだな」

喋っているのは、恐らく件のテロリスト、キャスバル・ロスタムだろう。

「深追いしなければ死ななかったものを、貴様らはここでロシアの土になる。欲をかいたばかりにな」

「よく喋るテロリストだ」

物陰から、バニングが言い返した。

「口は禍の元という言葉があるのを知っているか。日本の諺だ」

ニコライも言う。

「知らんな、アメリカやロシアに尻尾を振る属国の言葉など」

ロスタムが片手を上げる。

同時にバラクラバを被った数人の兵士達が、AK-12を構えてジリジリと近付いてくる。

このまま距離を詰め、蜂の巣にするつもりか。

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