彼女は世界滅亡を描く。
「…先生?」
「ん、次は何?」
「嘘をつく時、先生はどうして嘘をつきますか?」
私の質問に、先生は考える間もなくきっぱりと言った。
「何かを守るため、かな。」
「…例えばそれは自分だったり、相手だったり、知らない誰かだったり…?」
「うん、そうだね。どうかした?」
「いえ。ちょっと気になっただけです。」
「そう。あんまり、考えすぎないようにね。」
私の頭をくしゃりと撫でて、風呂してくる、と先生が部屋から出る。
先生の背中を見送って、私は窓の外に広がる白を見つめた。
昨日まではなんとも思っていなかったはずの山は、闇に紛れて空へ続いているように見える。
火星に繋がっている山。
あの通信基地に「何か」があることは間違いない。
私は先生が今朝綺麗に畳んでいた新聞を広げて、天気予報の欄を見る。
私の推測では、マキくんの晴れる、という言葉と、通勤しているといったカミュニカの言葉が繋がって火星から地球へ降り立つための最低条件に晴天であることが含まれている。
「次の晴れマークは……。」
雪マークの続く天気予報欄の最後に、晴れのち曇りのマークがあった。5日後…。頭の中のカレンダーに印をつけて、私は新聞を元に戻した。
未知なる知識に踏み込む時の、期待と恐怖が私を駆り立てている。それと向き合う時はいつも一人きりだ。
そして、マキくんが知っている、私の知らない「何か」に追いつかなければ、マキくんもずっと一人きりなのだろう。
私達は、孤独を恐れて成長するのかもしれない。
「ん、次は何?」
「嘘をつく時、先生はどうして嘘をつきますか?」
私の質問に、先生は考える間もなくきっぱりと言った。
「何かを守るため、かな。」
「…例えばそれは自分だったり、相手だったり、知らない誰かだったり…?」
「うん、そうだね。どうかした?」
「いえ。ちょっと気になっただけです。」
「そう。あんまり、考えすぎないようにね。」
私の頭をくしゃりと撫でて、風呂してくる、と先生が部屋から出る。
先生の背中を見送って、私は窓の外に広がる白を見つめた。
昨日まではなんとも思っていなかったはずの山は、闇に紛れて空へ続いているように見える。
火星に繋がっている山。
あの通信基地に「何か」があることは間違いない。
私は先生が今朝綺麗に畳んでいた新聞を広げて、天気予報の欄を見る。
私の推測では、マキくんの晴れる、という言葉と、通勤しているといったカミュニカの言葉が繋がって火星から地球へ降り立つための最低条件に晴天であることが含まれている。
「次の晴れマークは……。」
雪マークの続く天気予報欄の最後に、晴れのち曇りのマークがあった。5日後…。頭の中のカレンダーに印をつけて、私は新聞を元に戻した。
未知なる知識に踏み込む時の、期待と恐怖が私を駆り立てている。それと向き合う時はいつも一人きりだ。
そして、マキくんが知っている、私の知らない「何か」に追いつかなければ、マキくんもずっと一人きりなのだろう。
私達は、孤独を恐れて成長するのかもしれない。