貴方が大好き
その頃明日香は…
(明日香)良に嫌な思いさせちゃったかな?
でも、これでいいんだ。もともと良は私のこと幼馴染としか思っていないはずだし。良は他の女の子からも人気がある。それを私なんかがぶち壊すことなんかできない。それに良が他に好きな人が出来た時、足枷にはなりたくない…
好きになれば、なるほど息が苦しくなる。辛くなる…
だからこの思いは封印するんだ…じゃないともう幼馴染として普通には接することができなくなってしまうから…
(涼子)あの、佐藤明日香様でしょうか?
(明日香)えっ?そーですけど、何かご用でしょうか?
(涼子)私、龍音時家に仕えております山本涼子と申します。
花凛お嬢様の命により明日香様を探しておりました。
放課後、体育館裏に来てくださいませとの伝言を花凛お嬢様から授かっております。
(明日香)花凛ちゃんが?何の用だろう?
(涼子)ではしかと伝えましたので失礼いたします
(明日香)あの、ちょっと私まだ行くとは行ってませんが?…
(良)あ、明日香こんなところにいた。
どこに行ってたんだよ。ずいぶん渚と一緒にさがしたんだぞ。
(明日香)えっ?そーだったの?
(渚)あー、明日香いた。どこにいたの?すごく心配したんだよ?
(明日香)ごめん。いろいろ忙しかったしさ。
(渚、良)まーいーや。さ、一緒に帰ろ。
(明日香)……
(渚、良)明日香?
(明日香)あ、ごめん。今日友達と約束してたのすっかり忘れてた。先に帰ってて。
(渚、良)そーなの?そーなのか?
(明日香)うん。
(渚)分かった気をつけて帰るんだよ?
(良)分かった気を付けて帰れよ?
またな。
良と渚は後になってしるのだが、
この後明日香がひどい目に遭うことをまだ知らない。
(明日香)花凛ちゃんの用事ってなんだろ?
花凛ちゃん、来たよ?
(花凛)やっと来たわね。引き立て役さん。
今日呼び出したのは他でもない。
約束して欲しいことがあるの。
良様と渚って子に金輪際近寄らないで欲しいの。
(明日香)え…
どーして?
(花凛)どーして?あなたが良様と渚様の足枷にしかなっていないからよ。
あなたと良様とでは住む世界が違いすぎる。
そのことは分かっているわよね?
良様と渚様はルックスもよく、スポーツ万能、それに頭脳明晰ときてる。
良様と渚様の友達は、この龍音時花凛がなってあげるわ。2人には不自由な事はなにもしないと約束するわ。
(明日香)嫌だ…
(花凛)なんですって?
(明日香)嫌だ…私の大切な人達だから。
あの2人を失ったら私。
(花凛)往生際の悪い子ね。
バシッバシッ
(明日香)痛い。やめて。
(花凛)じゃー約束する?ふふふ
(明日香)それは嫌…
(花凛)もっと痛みを知らないとわからないみたいね?バシッバシッバシッバシッ
(明日香)良…助けて…
(空)花凛、そこまでだよ?
これ以上明日香に手を出させはしない。
(花凛)空ー?あなたどうしてここに。
(空)明日香は僕にとって大事な人。明日香を守るためなら、どんな手段でも使う。
明日香、ごめんね?この子は僕の婚約者なんだ。
(明日香)えー?
(空)五十嵐財閥と龍音時財閥の政略結婚でね。
でも、まだ結婚はしてない。
良は昔と同じで明日香がこんなことになっても気づかないのか…
(明日香)え?なんで良のこと知ってるの?
(空)まだ気づかない?
幼稚園で一緒だったじゃないか
(明日香)えー?あの空君?
変わってるから分からなかったよ。
(花凛)2人で何良い雰囲気になってますの?
良様に手を出したら、あなたの大事な渚ちゃんがどーなっても知らないわよ?
龍音時財閥の力を使って精神的に追い詰めることだってできるわよ?
(空)ここは、花凛の言うことを聞いていた方が良い。あー見えて龍音時家の次期当主だからね。
(明日香)渚…
分かった…金輪際、渚と良には近づかないと約束するわ。
その代わりちゃんと大事にして…
(花凛)分かればいーのよ。
さて、突如現れた空に戸惑う明日香。
どーなってしまうのやら?


< 4 / 26 >

この作品をシェア

pagetop