これを『運命の恋』と呼ばないで!
早歩きしながら言い合う。

やっぱり青空先輩と話すのは一番楽しい。
もっといっぱい、いろんな話がしたい。



「あっ!」


向かい側からきたヤンキーなお兄ちゃんとぶつかった。


「おっと、悪いな」


直ぐに肩が抱かれる。


(えっ…)

「チッ、気をつけろ!」


革ジャンを着たヤンキーは、舌打ちして行ってしまった。

抱き寄せられた私の心臓は早打ちを始め、血液が一気に流れ出したように体が熱くなる。


「ボンヤリするなよ。お前はホントに中でも外でも目が離せないな」


言いながら肩を抱いてた手が離れていく。


「す、すみません!」


ドクドクと脈打って、凄く速く動いてるみたい。
心臓が破裂する前って、きっとこんな感じに近いんだ。



「帰るぞ!」

「は、はい!」



今はわざと背中を追いかけたい気分。
隣に並んだりしたら、心臓の音で直ぐに気持ちがバレてしまいそうで怖い。



(でも……)



ホントは口にしたいほど、心はもう加速を始めた。




青空先輩が好き。

誰よりも一番好きーー!!




……ああ、神様お願いです。

この気持ちを先輩に伝えて下さい。


願いが叶うなら何もいらない。

いつ死んでも本望ですからーーーー



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