これを『運命の恋』と呼ばないで!
「私……」


いくらショックだったからといって、言いたい放題を言ってしまった。
先輩は今頃、私のことを怒ってるかもしれない。



「どうしよう。汐見先輩……」


青空先輩をキライだって言っちゃった。
顔が見れなくなったら清々するなんて言ってしまった。


「ナッちゃん?」


心配そうな顔を見せられる。
でも、この人には頼れない。


「いえ。何でもないんです」



ーーああ、神様。

この口を呪います。

どうか反対の意味であると先輩が気づいてくれますように。



何処にも行かないで欲しい。


ずっとずっと、先輩の顔を見ていたいだけなんですーーー。




< 113 / 218 >

この作品をシェア

pagetop