これを『運命の恋』と呼ばないで!
「うっ……」


悔しくなって涙が溢れ落ちそうになる。
ここで泣いたら先輩に気づかれる。


スルッとベッドを抜けてバスルームへ急いだ。
気づかれないようにシャワーを流し、一頻り泣いてからベッドへ潜り込んだ。




「なつみ…」


寝ぼけながら腕を巻き付けられる。
胸の温もりを確かめて、大きく息を吸い込みながら祈った。




……ああ、神様。

何処へ行っても先輩が彼女を作ったりしませんように。

私のことを忘れないで、ずっと好きでいてくれますように………





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