これを『運命の恋』と呼ばないで!
赤い顔して見えるのは、アルコールを飲んだせいではないと思うけど。


「いいの!?私、料理まるでできないよ!?」


女子らしいこと、全部苦手だよ…と付け足す。

目の前にいる鶴井君は笑いだし、「それでも構わない」と言ってくれた。


「僕はトモちゃんの顔が毎日見れたらいいんだ。家事全般は引き受けてもいいから一緒に住もうよ」


「同居人として宜しく」と頭を下げられた。
彼の気持ちは何となく分かってたから、戸惑いもなく受け入れた。


「ん。こっちこそお願い」


先ずはお友達から始めよう。
お互いに持ってる価値観を共有して、認めることができたら嬉しい。



「じゃあ乾杯」

「どうも」


カチン…とグラスを鳴らして飲み交わした。

ナツ達の結婚式は、それから2週間後に行われた。





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