これを『運命の恋』と呼ばないで!
若山夏生という女子社員は伝票片手にぎこちない動作を繰り返している。
数字の入力に間違いがないか、確かめながら打ってるせいだ。
(こいつのお陰で海外勤務か……)
面倒くせーことになったなぁ…と頭の中でボヤいてはいた。
けれど。
「この間のお話、受けてみようかと思います」
話を聞いた3日後、承諾の答えを出した。
「そうか、やってみるか」
小林さんは嬉しそうな顔を見せた。
総務課にとって、俺はいなくてもいい存在に思えた。
「君の後釜なら既に考えてある。向こうにもそれとなく伝えておくよ」
その「向こう」というのが同僚の汐見由樹。
小林さんから話を聞かされた汐見は、オフィスから出てくる俺を待ち伏せていた。
「空君、ちょっと昼間の続きが聞きたいんだけど……」
残業をしていた若山と飯でも食おうと話していたが邪魔された。
「あ…あの、私、友達と約束があるのを忘れてました!すみません。これで失礼します!」
走り去っていく若山に注意を促し振り向くと、汐見はおっかない顔をしていた。
「お前がそんな顔してるから若山が逃げてったじゃねぇか」
呆れつつ言葉をかけた。
「残念だったわね。可愛い後輩とのデートを邪魔したみたいで」
「デートって…単に飯食いに行こうと話してただけだ」
数字の入力に間違いがないか、確かめながら打ってるせいだ。
(こいつのお陰で海外勤務か……)
面倒くせーことになったなぁ…と頭の中でボヤいてはいた。
けれど。
「この間のお話、受けてみようかと思います」
話を聞いた3日後、承諾の答えを出した。
「そうか、やってみるか」
小林さんは嬉しそうな顔を見せた。
総務課にとって、俺はいなくてもいい存在に思えた。
「君の後釜なら既に考えてある。向こうにもそれとなく伝えておくよ」
その「向こう」というのが同僚の汐見由樹。
小林さんから話を聞かされた汐見は、オフィスから出てくる俺を待ち伏せていた。
「空君、ちょっと昼間の続きが聞きたいんだけど……」
残業をしていた若山と飯でも食おうと話していたが邪魔された。
「あ…あの、私、友達と約束があるのを忘れてました!すみません。これで失礼します!」
走り去っていく若山に注意を促し振り向くと、汐見はおっかない顔をしていた。
「お前がそんな顔してるから若山が逃げてったじゃねぇか」
呆れつつ言葉をかけた。
「残念だったわね。可愛い後輩とのデートを邪魔したみたいで」
「デートって…単に飯食いに行こうと話してただけだ」