これを『運命の恋』と呼ばないで!
二人で残業をした後、社外に出てから認めた。
「俺はどうも若山夏生が好きらしい」
「ほらね、やっぱりそうだったでしょ!」
自信たっぷりに答える汐見に頷き、だからと言って海外勤務は止めないと伝えた。
「どうして!?ナッちゃんが知ったらきっとショックを受けるわよ!」
「そうかもしれないけど、これは一つのチャンスだから」
海外勤務をして戻れば、確実に上の役職が狙える。
そのチャンスを与えてもらったのに、見す見す逃すことはしたくないと言った。
「若山のことは汐見に頼むよ。あいつは要領が悪くて計算や入力も遅い。ミスを怖がる割には人にも尋ねないし、何かと面倒を掛けるとは思うけど……」
「そこまで知っておきながら置いてくの?やっぱり男って不可解ね」
自分の彼氏と同じだと言って嘆いていた。
その彼氏が小林さんだとは、ちっとも知らずにいたんだけど。
(そう言えば、大学の先輩だと言われた男を初めて見た時、あれはかなり恥ずかしい思いをしたな……)
昼休みに外へ出て、コンビニの弁当を買おうと棚の前に立つと、隣の棚にある豚バラ串に目がいった。
(豚バラか……若山は好きかな)
喜ぶ顔が見たいな…と思い、ついつい買ってしまった後だった。
困った表情で相手と向かい合ってる若山が、「すみません」と謝ってるのが聞こえた。
(こいつ、もしかしてまた何かヘマをやらかしたのか?)
「俺はどうも若山夏生が好きらしい」
「ほらね、やっぱりそうだったでしょ!」
自信たっぷりに答える汐見に頷き、だからと言って海外勤務は止めないと伝えた。
「どうして!?ナッちゃんが知ったらきっとショックを受けるわよ!」
「そうかもしれないけど、これは一つのチャンスだから」
海外勤務をして戻れば、確実に上の役職が狙える。
そのチャンスを与えてもらったのに、見す見す逃すことはしたくないと言った。
「若山のことは汐見に頼むよ。あいつは要領が悪くて計算や入力も遅い。ミスを怖がる割には人にも尋ねないし、何かと面倒を掛けるとは思うけど……」
「そこまで知っておきながら置いてくの?やっぱり男って不可解ね」
自分の彼氏と同じだと言って嘆いていた。
その彼氏が小林さんだとは、ちっとも知らずにいたんだけど。
(そう言えば、大学の先輩だと言われた男を初めて見た時、あれはかなり恥ずかしい思いをしたな……)
昼休みに外へ出て、コンビニの弁当を買おうと棚の前に立つと、隣の棚にある豚バラ串に目がいった。
(豚バラか……若山は好きかな)
喜ぶ顔が見たいな…と思い、ついつい買ってしまった後だった。
困った表情で相手と向かい合ってる若山が、「すみません」と謝ってるのが聞こえた。
(こいつ、もしかしてまた何かヘマをやらかしたのか?)