これを『運命の恋』と呼ばないで!
「だから、昨夜は言い過ぎたと思う」
(……これは何の聞き間違い?)
自分の耳を疑いたくなるのも当たり前。
この青空奏汰が、私に向かって謝ろう筈がないと思ってたから。
「お前が如何にも仕事のできない、物覚えの悪い人間のように聞こえてたと思う。でも、あれは別にお前を指して言った言葉じゃないから誤解するな」
青空先輩はそう言うと少しだけ唇の端を持ち上げた。
昨夜のようなバカにした薄笑いとは違う。
今夜のこの笑みの浮かべ方は、ひょっとするとテレ隠しの様にも見える。
「バカ山は確かに仕事は鈍いしミスも抜けも多い。俺も時には嫌になるし、周りの連中だって呆れることがある」
(それのどこが誤解なのよ。またしても私を傷つけてるじゃない)
ムカムカ…と自覚していることを塗り重ねられた恨みが増していく。
むぅとした表情を浮かべ、唇を突き出した。
「いや、だからな」
仕切り直すような接続詞を吐いた。
「だからと言って、誰もお前のことを嫌ってなんかいないから安心していい。本当は残務整理も間に合わないなら手伝ってもいいと皆は言ってくれたんだ。でも、それじゃあお前の為にならないから俺が断った」
半人前なら半人前らしく残業してでもやらせようと決めた。
それで仕事を投げ出すような私ではないと、最初から見込んでたからだそうだ。
「……それ、どこまで信じていいんですか?」
(……これは何の聞き間違い?)
自分の耳を疑いたくなるのも当たり前。
この青空奏汰が、私に向かって謝ろう筈がないと思ってたから。
「お前が如何にも仕事のできない、物覚えの悪い人間のように聞こえてたと思う。でも、あれは別にお前を指して言った言葉じゃないから誤解するな」
青空先輩はそう言うと少しだけ唇の端を持ち上げた。
昨夜のようなバカにした薄笑いとは違う。
今夜のこの笑みの浮かべ方は、ひょっとするとテレ隠しの様にも見える。
「バカ山は確かに仕事は鈍いしミスも抜けも多い。俺も時には嫌になるし、周りの連中だって呆れることがある」
(それのどこが誤解なのよ。またしても私を傷つけてるじゃない)
ムカムカ…と自覚していることを塗り重ねられた恨みが増していく。
むぅとした表情を浮かべ、唇を突き出した。
「いや、だからな」
仕切り直すような接続詞を吐いた。
「だからと言って、誰もお前のことを嫌ってなんかいないから安心していい。本当は残務整理も間に合わないなら手伝ってもいいと皆は言ってくれたんだ。でも、それじゃあお前の為にならないから俺が断った」
半人前なら半人前らしく残業してでもやらせようと決めた。
それで仕事を投げ出すような私ではないと、最初から見込んでたからだそうだ。
「……それ、どこまで信じていいんですか?」