これを『運命の恋』と呼ばないで!
椅子から転げ落ちそうなドジをしたり、上から鉢が降ってきたり…と、経験したこともないことが重なったから、急に親密な関係に陥った気がした。

青空先輩とはオフィスでの上下関係以外に、触れ合ったことなどなかったのに妙に居心地良かった。


また一緒に食事してもいいかな、と思った。
それくらい楽しかった。




(……ああそうか。それも関係してたのかも)


逆プロポーズをした理由が自分なりに解明できた。
ただ優しくされたからってだけじゃない。
一緒にいて楽しいって気持ちが裏にあったんだ。



「ナツ大人し過ぎ!楽しく食べよう!」

「うん、そうだね」


考えるのは止そう。
先輩は私の救世主じゃない。




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