これを『運命の恋』と呼ばないで!
願いは1つだけ
「やだ…待って…私が好きなのは青空奏汰なの。だから他の人となんて……やだーーっ!!」


叫び声で目覚めた。

バチッと開いた目の前に、天井の蛍光灯が見える。

ハッハッ…と短い息を繰り返して落ち着かせる。それから大きく息を吐いた。



「夢………」


またしても嫌な夢を見た。

夢の中で、私の手を握ってたのは悪魔だろうか。



「良かった……夢で……」


ホッとしながらも、やっぱり良くない……と思いだす。


上半身を起こして両手で顔を包に込んだ。
包みながら涙が零れ落ちる。



『青空奏汰が好き』ーーー

例えばそれが寝言であっても、認めると想いが涙に変わった。



私は青空先輩が好きだ。

自分の救世主の相手は、青空先輩であって欲しいと願ってる。


他の誰にも変わらない相手だと思ってる。

だから、他の誰かと結婚するなんてあり得ない。


恋をするなら私とにして欲しいと願う。

他の誰にも触れられず、私だけの人にしてしまいたい。

それくらい青空先輩が好きになってる。



(青空奏汰が好きなんだ………)


自覚する。

……でも。

それは決して口に出せない想い………。




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