わがまま姫の名推理



「じゃ、行こっか」



ウサギの敬語はほぼなくなったと言っても過言ではないだろうが、きっと一弥や新田海には敬語を使うだろうな。



そしてあたしたちはウサギが運転する車に乗り、喫茶店に向かった。



あと少しで喫茶店というところで、一弥と新田海の姿が見えた。


2人の足は相当速いらしい。



滋が窓を開け、2人を呼ぼうとしたが、あたしはそれを止める。


驚かそうと思ってな。



「お前、バカか?」


本当にあと数メートルというときに、新田海の言葉が聞こえてきた。



「いや、お前らがバカなんだよ」



あたしは車から降り、2人に向かって言った。



「三崎……」



一弥はかなり嫌そうな顔をしてあたしを見てくる。



「俺、こいつと同レベルか?」



こっちもこっちで嫌そうな顔をしているな。



「あぁ、十分同レベルだ」



すると新田海があたしを睨んできたため、あたしも睨み返す。



「もとはと言えば…………」



新田海がそう言って一弥のほうを見ようとしている。


……もしかして



「「お前が悪い!」」



うん、やはりな。



あたしは新田海と気が合いそうだ。



ま、なぜ一弥が悪いのかは知らないがな。



「もう、落ち着きなよ、2人とも。早く中に入ろう」



そして車から降りてきた滋がやれやれとでもいうかのように来た。


そんなに喫茶店が楽しみなのか。



< 100 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop