わがまま姫の名推理
「じゃ、行こっか」
ウサギの敬語はほぼなくなったと言っても過言ではないだろうが、きっと一弥や新田海には敬語を使うだろうな。
そしてあたしたちはウサギが運転する車に乗り、喫茶店に向かった。
あと少しで喫茶店というところで、一弥と新田海の姿が見えた。
2人の足は相当速いらしい。
滋が窓を開け、2人を呼ぼうとしたが、あたしはそれを止める。
驚かそうと思ってな。
「お前、バカか?」
本当にあと数メートルというときに、新田海の言葉が聞こえてきた。
「いや、お前らがバカなんだよ」
あたしは車から降り、2人に向かって言った。
「三崎……」
一弥はかなり嫌そうな顔をしてあたしを見てくる。
「俺、こいつと同レベルか?」
こっちもこっちで嫌そうな顔をしているな。
「あぁ、十分同レベルだ」
すると新田海があたしを睨んできたため、あたしも睨み返す。
「もとはと言えば…………」
新田海がそう言って一弥のほうを見ようとしている。
……もしかして
「「お前が悪い!」」
うん、やはりな。
あたしは新田海と気が合いそうだ。
ま、なぜ一弥が悪いのかは知らないがな。
「もう、落ち着きなよ、2人とも。早く中に入ろう」
そして車から降りてきた滋がやれやれとでもいうかのように来た。
そんなに喫茶店が楽しみなのか。