わがまま姫の名推理
「さ、どうぞ」
いつの間にかウサギは鍵を開け、ドアを開けていた。
しかし緊張しているのか、誰も入ろうとしない。
よし、あたしが最初に入ろう。
すると新田海と滋が続いて入った。
「全然変わってねぇ……」
最後に入ってきて一弥はそうつぶやいた。
まあ、ここまで変わっていないとは予想していなかったが。
「適当に座れ。ウサギ、なにか飲み物はないのか?」
ホコリをかぶっていて、座るところなど限られてくるだろうが。
「すぐ準備するよ」
ウサギはキッチン?のほうに行き、買ってきていた飲み物を用意し始める。
「さて、成瀬優弥と咲を殺した犯人が柏木冬馬、というとこまで問題ないな?」
あたしは1番キレイそうな椅子に腰掛け、さっそく本題に入る。
「うん」
「ない」
そう言ってうなずく2人。
これくらいは調べていただろうから、なんの問題もないだろう。
柏木冬馬のモノを狙っていたのはこれが理由なのだから。
「一弥、お前は?」
しかしすぐに答えなかった一弥に聞く。
「え、俺も?」
「当たり前だろ。ちゃんと約束したではないか。刑務所から出てきたら教える、と」
本来の目的はこれを教えることではないが。