わがまま姫の名推理
「ウサギ、ありがとな」
「え、うんっ」
さっきまでとは違う、笑顔で答えた。
感謝する。
初めて笑わせてくれて。
こんなたくさんの資料がある書斎に連れてきてくれて。
あたしが入った書斎は、天井が高く、入った瞬間本棚。
どこを見ても、本棚。
きっちりと本が並べられている。
あたしはとりあえず近くにある本に手をかける。
「じゃあ、なにかあったら声かけてね」
あたしの集中したいという思いがわかったのか、ウサギは部屋を出ていった。
あたしは本棚に寄りかかって座り、ページをめくった。
こうしてあたしの新しい人生のページもめくられた──