わがまま姫の名推理
あたしの言葉を聞いて正広は腕を組み、なにか考え込んでいた。
「お前ら!今日こそ気合入れろよ!」
すると急に刑事たちにそう声を上げた。
正広の頭の中で整理がついたのだろう。
なにを考えていたのか知らないが。
「知由、お前も協力してくれるな?」
「もちろんだ」
断る理由などどこにもないからな。
「ちぃ、僕は?」
「さあ?」
正直、ウサギはもう用済みだからな。
あたしが指示することはなにもない。
しかし言い方が良くなかったらしく、ウサギはわかりやすく肩を落とした。
「なんとなくそうかなって思ってたんだ。ちぃちゃん、乱魔に自分がラビットだってバラしたし。だけどね、僕だってなにかしたいんだよ?ちぃちゃんの力になりたい」
……面倒だな。
「ウサギ。お前はもともと力にならないぞ」
するとさらっとセリフが出てきた。
若干後悔はあるな。
ウサギ、さらに落ち込んだようだし。
「ちぃちゃんのバカーっ!」
「ウサギよりは賢いと思うが」
「わかってるよ、そんなこと!」
八つ当たりか。
今日のウサギはやけにキャラが落ち着かないな。
なにかあったのか?
まあ、あたしも人のこと言える立場じゃないな。
ついさっきキャラ崩壊したし。
でもあれは乱魔が悪い。
うん、そうだ。
「ねえ、ホントにすることないの?」
「しつこいな。ないと言っただろう」
「はぁい」