わがまま姫の名推理
と、その前に一応ニュースを見ておこう。
「あのさ、前も思ったんだけど……なんでちぃちゃん、乱魔の連絡先知ってるの?」
前、というのはあたしが乱魔たちの隠家に潜入したときのことだろう。
あ、もう放送されてるな。
きっと乱魔も気付いているはずだ。
よし、今度こそ。
「お前が大嫌いなハッキングさ」
あたしはいたずらっ子のように微笑んだ。
すると電話がかかった。
『……もしもし』
出た……!
とても警戒しているような声ではあるが、乱魔はあたしの電話に出た。
「どうだ、乱魔。捕まる気になったか?」
まるですべてを見抜いてるかのように言う。
実際、見抜いてはいるが。
『ラビット……!』
「おぉ、声だけでわかったか。それで?捕まるか?」
乱魔もなかなかのものだな。
『どうしてそんなことを言ってくる』
「どうして?お前の目的は達成されたではないか。もう乱魔でいる必要はないだろう?」
あたしは思ったことを素直に並べていく。
『頼む、まだ見逃してくれ』
なんと。
想像してはいたが、本当にこう言われるとは思っていなかった。
「ほう……。なぜだ」
あえて理由を聞いてみる。