わがまま姫の名推理
第7章
約束の時間の数分前に玄関にウサギと並んで立つ。
すると男2人が歩いて来ていた。
その2人は、乱魔の仲間の2人。
「あ、みさきちゃんだ」
あたしに気付いて言ったのは、空海ではないほう。
「ちぃちゃん、知り合い?」
ウサギは不思議そうに聞いてきた。
「乱魔の仲間だ」
あたしたちに近付いてくる2人の姿を見つめたまま、ウサギの質問に答える。
「え?なんで?乱魔って1人で来るんじゃ……」
「一弥はあとから来ますよ。俺らは、先に自首しに来たんです」
するとタイミングよく来た空海が言った。
「失礼ですが、お名前は……」
「俺は新田海(にったかい)。で、こいつが……」
「櫻井滋(さくらいしげる)だよ」
新田海と、櫻井滋……
「それじゃ、俺らはこれで」
「あ、ちょっと」
あたしは新田海の服をつかんだ。
「なにか?」
新田海は不機嫌そうに、あたしを睨みながら言った。
「お前たちは成瀬優弥たちのことを知りたくないのか?」
「知りたいんだけど、一弥に止められたんだよねぇ」
櫻井滋の言葉に新田海が何度かうなずいている。
なるほど、だからこうして自首しに来ているわけか。
「ならば、あとから乱魔に聞く、ということか?」
「とりあえずそうなってるけど……?」
続けて櫻井滋が言った。