わがまま姫の名推理
そこで、もしやと思い、一弥を見る。
やはりそのようだな。
「一弥、勘違いしているだろう」
「は?」
この顔は間違いなく勘違いしていたな。
「好かれるのは一般人だけだろう。他の暴走族からしたら、そんなグループは気にくわないに決まってる」
だから、その敵グループを見つけなければならない。
「……見つかんのか?」
一弥は不安そうな目を向けてくる。
まったく……
そんなにあたしが信用できないというのか?
「違う。見つけるんだ」
そしてあたしはまたパソコンの画面に目を落とす。
「……できた」
そしてあたしは首を2、3周回す。
「できたって、なにが?」
一弥が先に聞いてきた。
「ん」
あたしは2人に画面を向けた。
あたしが調べたのは暴走族グループ。
だからそこに掲載されていたのは、暴走族のグループ名と15年前のリーダーの名前。
『風利(ふうり)、河西信太(かさいしんた)
凱霧(がいむ)、夕霧李紅(ゆうぎりりく)』
「もしかして、この人たちが怪しいってこと?」
ウサギが首をかしげながら言った。
お前は一体今までなにを聞いていたのだ……
あたしがなにをしていたかくらい、わかるであろうに……