わがまま姫の名推理



そこで、もしやと思い、一弥を見る。



やはりそのようだな。



「一弥、勘違いしているだろう」


「は?」



この顔は間違いなく勘違いしていたな。



「好かれるのは一般人だけだろう。他の暴走族からしたら、そんなグループは気にくわないに決まってる」



だから、その敵グループを見つけなければならない。



「……見つかんのか?」



一弥は不安そうな目を向けてくる。



まったく……


そんなにあたしが信用できないというのか?



「違う。見つけるんだ」



そしてあたしはまたパソコンの画面に目を落とす。






「……できた」



そしてあたしは首を2、3周回す。



「できたって、なにが?」



一弥が先に聞いてきた。



「ん」



あたしは2人に画面を向けた。



あたしが調べたのは暴走族グループ。



だからそこに掲載されていたのは、暴走族のグループ名と15年前のリーダーの名前。



『風利(ふうり)、河西信太(かさいしんた)
凱霧(がいむ)、夕霧李紅(ゆうぎりりく)』



「もしかして、この人たちが怪しいってこと?」



ウサギが首をかしげながら言った。


お前は一体今までなにを聞いていたのだ……


あたしがなにをしていたかくらい、わかるであろうに……


< 84 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop