わがまま姫の名推理



るだろうな。


あたしたちのことを調べていたのだから、年齢など当たり前だな。



「だからさ、敬語やめてよ?」


「いやー……いつかですね」



ウサギは苦笑いしながら答えた。



「そのいつかを楽しみにしてるよ。敬語ってなんか壁を感じるから、僕は個人的に嫌いなんだ」



だからはじめから少し馴れ馴れしいような態度だったわけか。



「あ」



すると新田海がふと声を出した。


だからあたしたちは彼の目線の先を見る。



そこには一弥が驚いた顔で立っていた。



「なんで!?」



久々に会って第一声がそれか……


わかってはいたがな。



「やっとだったねぇ、一弥」



まず最初に話しかけたのは櫻井滋。



「ったく、遅いんだよ、バカ」



次は新田海。


なんだか、さっきまでのあたしたちへの態度と真逆ではないか。



というかこの流れなら、次はあたしか。



「いつまであたしを待たせるんだ」


「お帰りなさい、一弥さん」



えー。


ウサギはそれだけかー?



ウサギらしいからいいが……


つまらん!



「ただいま!」


< 98 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop