わがまま姫の名推理
るだろうな。
あたしたちのことを調べていたのだから、年齢など当たり前だな。
「だからさ、敬語やめてよ?」
「いやー……いつかですね」
ウサギは苦笑いしながら答えた。
「そのいつかを楽しみにしてるよ。敬語ってなんか壁を感じるから、僕は個人的に嫌いなんだ」
だからはじめから少し馴れ馴れしいような態度だったわけか。
「あ」
すると新田海がふと声を出した。
だからあたしたちは彼の目線の先を見る。
そこには一弥が驚いた顔で立っていた。
「なんで!?」
久々に会って第一声がそれか……
わかってはいたがな。
「やっとだったねぇ、一弥」
まず最初に話しかけたのは櫻井滋。
「ったく、遅いんだよ、バカ」
次は新田海。
なんだか、さっきまでのあたしたちへの態度と真逆ではないか。
というかこの流れなら、次はあたしか。
「いつまであたしを待たせるんだ」
「お帰りなさい、一弥さん」
えー。
ウサギはそれだけかー?
ウサギらしいからいいが……
つまらん!
「ただいま!」