悲しみの果てに
••優しい二人
式当日、苳吾さんは病院を休んだ。
私は、今期から移動で外科病棟になり
結さんは、外科病棟の師長さん。
沙良えと私は、一緒に配属された。
仕事をしていると
結さんがきて
「鈴菜、大丈夫なの?」
「仕方ありません。
自分で、決めた道ですから。」
と、言うと
ため息をつきながら
「まったく!苦しい恋をしなくても
あんたの器量と性格なら
良い出会いも、山ほどあるのに。」
と、言ってくれた。
「うふふっ、結さん‥
ああっと、師長、買いかぶりすぎです。」
と、笑いながら言うと
頭をポンとして仕事に戻って行った。
私は、出来るだけ
平常心につとめて
夜は、沙良と食事に行った。
結さんも行きたがるが
結さんは、旦那様が
家で待っているから
仲間に入れてあげなかった。
沙良も心配してくれて
「別れたいなら、いつでも言って
鈴菜を紹介してほしいと
色々、頼まれているから。」
と、言ってくれたから
「ウフフっ、ありがとう。
結さんといい、沙良といい
私は、そんなにもてないし
もてたことないから。」
と、言うと
「まったく、自分のこと·····
全然わかってない」
・・・・とか
なんとか、ぶつぶつ
沙良は、言っていた。
沙良と二人、ワイワイ言いながら
食事をして飲んで帰宅した。
明日は、二人とも休みだったし
苳吾さんが来ると
沙良とも中々会えないから
沙良との時間楽しんでいた。
家に帰り着くと
家に灯りがついていて
慌てて中に入ると
苳吾さんの靴があった。
リビングに行くと
苳吾さんは、ソファに座って
ビールを飲んでいた。
私は、嬉しくなり
苳吾さんの背中に
抱きついた。