悲しみの果てに
••綾香
今日は、身内だけの式の日
お母様と決めた
ウェディングドレスを着て待つ
お父様もお母様も
「綾香、綺麗だよ。」
と、言ってくれたが
苳吾さんは、見にも来てくれない。
そのまま、教会に行き
お父様と、バージンロードを
歩いて、苳吾さんの元に
苳吾さんは、グレーのタキシードを
着て立っていた。
お父様が
「苳吾君、頼むな。」
と、言って
私の手を苳吾さんの腕に置いた。
苳吾さんは、頷いただけで
前を向いた。
神父さんの言葉で式は進み
誓いの時も頷いただけ。
指輪の交換も手早くされ
実感もなく終わった。
お父様達は、
「恥ずかしいんだよ。
それに医者と言うものは堅い人が多い。」
と、言った。
だけど、私は·····
いつもだし、家にも
帰らないけどね
と、心の中で呟いていた。
式も終わり
食事もそこそこに
二人で、家に帰ったが
苳吾さんは、直ぐに着替えて
「病院に行きます」
と、言った。
私は、
「苳吾さん、私達は結婚してるの
ですから、夜は一緒に寝て下さい。」
と、恥ずかしいさをこらえて
言ったが・・
「最初に言った通り
俺は、ほとんど家に帰りません。
だから、帰ったときは、
一人でゆっくりしたいし
あなたも、好きな事をして下さい。」
と、言われた。
「えっ?なんなの
私の扱いが、これ?
私と一緒に暮らして
私に興味もない・・とか
あり得ない。」
と、イライラして
誰にも言えずに
元彼を呼び出して
お酒を飲んだ。
別れたくないとか
ラインがよく来ていたから。
彼は、喜んで現れた。