悲しみの果てに

苳吾さんと別れた時
私は、有沢総合病院も辞めようと
思っていた·····が
結さんと沙良に引きとめられて
今も続けている。

私と沙良は、小児科へ配属となった。


沙良とは看護学校で
出合い仲良くなった。

苳吾さんの事は、
最初から知っている。

「腕はすごいけど
大好きな鈴菜を
傷つけるあいつは、大嫌い。」
と、沙良は言う。

いつも、私の味方になってくれて
心配してくれるかけがえのない友人だ。

結さんも、あからさまに
苳吾さんを嫌う。

結さんは、内科の主任をしていた。

小児科には、
つらい病気の子供達もいたが
子供達の笑顔が、元気の源だった。

私は、今も両親と暮らしていた
家に一人で住んでいる。

平屋の家で、母さんが
拘って建てた家だから
私も凄く気にいっていた。

玄関を中心に右側に二部屋
奥が、両親の部屋で
手前が、私の部屋

左側に台所とリビング
お風呂とトイレ

玄関から真っ直ぐ
廊下があり
行き着いた所にウッドデッキが有り
二畳分ほどあるためか広く見える。

玄関前には、小さな庭があって
季節の花が咲いている。

家の回りは、ルーバーで囲ってある。
ルーバーは、外からは目隠しになるが
中から見ると違和感がなく外が見える。

私は、この家が凄く好きだ。

母さんらしい家。
お風呂もトイレも
癒しの空間になっていて
その上、使いやすい。

苳吾さんと付き会っているとき
苳吾さんは、良くここに来ていた。

苳吾さんも、この家が気にいっていた。


だけど・・・

苳吾さんとお別れた日

私は、苳吾さんの物は全て廃棄した。

   ·····思い出と共に·····
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