悲しみの果てに

••顔合わせ


「鈴菜。話してくれたんだな。」
「はい。院長先生にも会うそうです。」
と、言うと
「愛菜。一緒にいれなくてゴメンな。
それに、おジイちゃん、おバアちゃん
にも、会ってくれるのか?」
と、苳吾さんは、愛菜の目線に座り話すと
「いいよ、パパ。
マァマとジィジいっしょ。
おジィジちゃん?おバアちゃん?
あうよ。でも、こわくない?」
と、言う愛菜に
「ああ、怖くないよ。
大丈夫、愛菜とママに
会えるのを楽しみにしてる。」
と、話して
食事をして、ゆっくりしてから
出かけた。

苳吾さんの実家に着くと
「まあ、いらっしゃい。
どうぞ、上がって下さい。」
と、お義母様。
入ると
「‥‥呉‥くん?」
「医院長先生、ご無沙汰しています。
その節は、突然の
退職申し訳ありませんでした。」
「えっ、あなた、ご存じの方?」
「ああ、病院で働いてくれてた
看護師の呉君だ。」
「あら、そうだったのね。
ごめんなさいね。
私達が、早合点したばかりに
貴方に辛い思いをさせて」
「いいえ、私も苳吾さんと
話しもせずに、病院を辞めて
しまいましたから。」
と、話していると
苳吾さんが
「一度、座ろう。」
と、言った。

「改めて、呉、鈴菜さんと
娘の愛菜です。

鈴菜は、親父を知っているが、
愛菜、俺の父と母だ。」
と、言うと
「鈴菜です。
院長、母が病気のときには
大変お世話になりました。
この子は、娘の愛菜、2歳です。」
「あいなれす。」
と、言うと
「苳吾の、父と母です。」
妻がいったように
本当にすまなかった。」
と、頭を下げる院長に
「いいえ、とんでもないです。
苳吾さんに告げずに
勝手に、愛菜を生み
申し訳ありません。」
と、言うと
「こちらこそ、こんな可愛い孫を
ありがとう。」
と、言ってもらえた。

愛菜は、お義父様の膝に乗り
お義母様と話をしていた。

三人共、とても嬉しそうにしていて
苳吾も鈴菜も嬉しかった。
< 36 / 45 >

この作品をシェア

pagetop