悲しみの果てに

••悲しみの果てに


綾香は、息子を助けてくれた女性を
再度振り向いた。

その時······

見覚えのある顔の人が

有沢‥‥苳吾さん‥‥?

あの女性のそばに
有沢 苳吾さんがいた。

彼は、私と結婚していた時とは
    別人のように·······

優しい顔····
優しい声·····
その上、彼女への気遣い······
手を差し伸べる姿······

やはり、私達は
決して結ばれる事はなかったんだと
改めて思っていると
「「ママ!」」
と、息子と夫に呼ばれて、
我にかえり
「さあ、帰りましょうか」
と、歩きだした。


そんな、私達は、
綾香さんと合った事も知らずに·····


鈴菜は······

一度は、諦めた恋······
そして、愛人だった日々······

 奥様に対しての罪悪感に
    苛まされる日々の中

  絶望して·······日本から逃げ出した。


そんな悲しみの果てにいた私を
変わらず愛してくれたのは
やはり·······貴方でした······


これからも···

  ずっと‥‥
 
    ずっと······貴方と共に····


             完
< 44 / 45 >

この作品をシェア

pagetop