サッカー✖️芸能人
教えてもらったトイレの道のりを歩いていたら
どうやら私は方向音痴らしくて
迷ってしまった。
周りにはもちろん知っている人はいないから
不安になりながらも
誰かに声を掛けようとしたとき
あのユニフォームって…
もしかしたら…ううん!もしかしなくても
決勝戦まで進んだチームの
ユニフォームだった。
すると
チラッとそのチームの1人が
私の方を見た。
目があって話しかけようとしたとき
彼が
あっ!
っていう顔をしたから
え?
っと思っていると彼が自分から
私の方に向かって歩いてきた。
そしていきなり
「あの、1つだけ言いたいことがあります。」
そう、彼は私に声をかけた。
「え…」
こういうときはなんて言うべきなんだろう?
どうぞ?
はい?
え…なんか沈黙が…
とりあえず私は頷いた。
すると
「あの、
がっかりしました。
なんでいつものAKIさんらしい
曲じゃないんですか?」
彼はすごく寂しい顔をしながらそういった。
「えっと…あなたは私のファンなんですか?」
とりあえず聞いてみた。
私はずっとこんな曲でいいのかな?
って思ったから。
事務所の人や周りの人に聞いても
みんないい曲!っていう。
そして、サッカーをしている
全国大会に来た子までもがあの反応。
ずっと心の中で引っかかってた。
彼は私が思っていることを直接、私に
言ってくれた。
この子はもしかしたら
熱狂的なファンなのかもしれない!
だから、聞いてみた。
「ファン…ファンって呼べるほどでは
ないと思います。
けど、普通に好きです。」
普通に好き…こんなに正直な人を
私は久しぶりに見た。
今まで芸能界というこの世界は特に
心が汚い人が多かった。
ううん、そんな人しか生き残れなくて
結局、出会うのはそんな人しかいなかった。
このときから私は彼に
恋をしていたのかもしれない。
彼の純粋な目に…