俺様彼氏はShy Boy?
「なんでそんなに離れてんの?」
海斗もカップに手を伸ばし、コーヒーを一口口に含む。
カップを置くと、あたしのことを凝視する。
少し顔を上げれば、黒目がちな大きな瞳に捕らえられて。
逸らすことを許してはくれなかった。
「い、意味は…ないよ?」
ゴクリ、喉を鳴らす音が。
リビングに響いたような気がした。
「なら、こっちに来いよ」
腕を引かれて。
あたしの身体は海斗に引き寄せられる。
立ち上がったあたしの脇に手を入れて、軽々と抱きかかえられた。
そのまま海斗の膝の上。
いつもは見上げる海斗の顔が、今は見下ろす形になってる。
「比奈……」
上目遣い。
そんな顔をする海斗は、ホントずるい。
「…誕生日、おめでとう」
ずっと言いたかった言葉。
やっと言えた。
整った顔立ち。
触りたくなるような綺麗な肌。
長めの前髪を掻き分けると、真っ直ぐに見つめてくれる優しい瞳。
「好き……」
自然とあふれ出した思い。